ブランディングの科学(新市場開拓篇)、面白かったです。

 

新市場開拓では「浸透率」が最重要。

 

浸透率の低いブランドほど、購入される頻度も少なくなるので、いきなり最初からロイヤリティマーケティングなど絞り込みをすると、結果的に尻すぼみになりやすくなる。

 

大規模ブランドになるためには、できるだけ多くのライトユーザーにメッセージを届ける努力が必要。マーケットシェアが大きいブランドになればなるほどライトバイヤーが購入するので、自然と独占的にシェアが大きくなっていく。

 

ブランドは、浸透率を大幅に改善できた場合のみに、ロイヤリティを満足できるレベルまで高めることができる。

 

採用においても、企業ブランドの浸透率がすごく重要だと痛感します。

 

浸透率が高い=いわゆる有名企業であればあるほど、エントリーや人気ランキングで上位に来やすい傾向に通じるところがありますね。

 

 

では、有名企業になる前の会社はどうすれば良いのか。

 

そのポイントは「独自性」です。

 

独自性はブランドのアイデンティティであり、競合ブランドに認知度において優るためのツールだ。(この本の中では、青色と銀色がレッドブルの独自性が例として紹介されています)

 

独自性と考えると「なんだろう?」と悩むこともありますが、この本には考えるヒントがありました。それは「実用性」です。

 

採用で言えば、その会社で働くことが自分の人生にとってどんな実用性があるのかということ。

 

私が人事責任者になったとき、サイバーエージェントは少人数企業でもなく、超有名大企業でもなく、採用活動での立ち位置がとても難しい状態でした。

 

他社にはないもので、自社だけに言えることがないか。サイバーエージェントにしかない環境とは何かを考えて生まれたキーワードが、「決断経験」「若手抜擢」「新卒社長」などです。

 

今考えると、この本で紹介されている「実用性」を考えていたと気づきました。

 

 

採用はもちろん人事の取り組みをつくるとき、私が大事にしていることに「誰にどう語られたいか」という問いがあります。誰に、どんなセリフで語ってもらいたいかを考えるというものです。

 

  • 学生がご家族に自分の会社を紹介してもらうとしたら、なんと紹介されたいか。
  • 社員が友達に新しい人事制度を話すとしたら、どのように話してほしいか。

 

これを考えることで、セリフレベルで流通するシンプルな単語や言葉になります。

 

シンプルな言葉でインパクトを残せれば、記憶にも残りやすく流通しやすくなります。結果として採用ブランドが高まったり、社内で人事制度が活用される度合いも高まります。

 

浸透率、独自性、実用性。

 

すごく良い学びが得られた本でした。